整骨院で働いていると、「また一人辞めた」という場面に遭遇することが少なくありません。実際、柔道整復師の離職率は他の医療職と比べても高い水準にあります。
この記事では、整骨院の離職率が高い3つの構造的な理由と、辞める前に知っておくべき選択肢を解説します。「このまま続けていいのか」と悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでください。

僕が最初に勤めた整骨院も、3年で同期が全員辞めた。「またか」って感覚が当たり前になってたのが、今思うと異常だったな。
整骨院の離職率はどれくらい高いのか?データで確認
厚生労働省の「雇用動向調査」や業界調査によると、柔道整復師の3年以内離職率は約60%とされています。一般的な大卒新卒の3年以内離職率が約30%であることを考えると、約2倍の水準です。
| 職種 | 3年以内離職率 |
|---|---|
| 柔道整復師(整骨院勤務) | 約60% |
| 看護師 | 約10〜12% |
| 理学療法士 | 約15〜20% |
| 大卒新卒全体 | 約30% |
ただし、この離職率の高さには「独立開業する」というポジティブな退職も含まれています。問題なのは、意図しない退職——つまり「耐えられなくなって辞める」ケースです。
整骨院の離職率が高い3つの理由
理由1: 長時間拘束と低賃金のダブルパンチ
整骨院の営業時間は午前9時〜午後8時(またはそれ以降)というケースが多く、拘束時間は10〜12時間に達することも珍しくありません。
さらに、柔道整復師の初任給は17〜20万円程度。一般企業の大卒初任給(約22〜23万円)と比べると明らかに低い水準です。
| 項目 | 整骨院勤務 | 一般企業(大卒) |
|---|---|---|
| 初任給(月額) | 17〜20万円 | 22〜23万円 |
| 拘束時間 | 10〜12時間 | 8〜9時間 |
| 残業代 | 出ないケースが多い | 労働基準法に基づき支給 |
| 昇給幅 | 年5,000〜10,000円 | 年5,000〜15,000円 |
「好きな仕事だから」という理由で耐えられる期間にも限界があります。生活コストの上昇と賃金のギャップが、特に20代後半〜30代の離職を加速させています。

初任給18万円で朝8時から夜9時まで。手取り14万くらいだった。好きじゃなきゃ絶対続かない金額だよ。
理由2: 少人数職場ゆえの人間関係リスク
整骨院の多くは院長を含めて3〜5名程度の少人数職場です。人間関係のトラブルが発生した場合、逃げ場がないのが最大の問題です。
- 院長との相性が合わないと毎日が苦痛になる
- 先輩と後輩の距離が近すぎて、パワハラ的な指導が黙認されやすい
- 「辞めたい」と言い出しにくい空気がある
大企業のように部署異動で解決できないため、「合わない=辞める」という選択肢しかなくなるケースが多いのです。
理由3: キャリアの天井が見えやすい構造
整骨院勤務で描けるキャリアパスは、大きく分けて以下の3つに限られます。
| キャリアパス | 現実 |
|---|---|
| 同じ院で勤務し続ける | 昇給幅が小さく、院長にならない限り年収は頭打ち |
| 独立開業する | 開業資金500万〜1,000万円が必要。廃業率も高い |
| 別の整骨院に転職する | 待遇が大きく変わるとは限らない |
「このまま10年働いても、年収は350万円前後」という現実が見えたとき、多くの柔道整復師が転職を考え始めます。

「このまま10年やっても350万か」って計算した瞬間、僕は転職を本気で考え始めた。現実を直視するのは怖いけど、それが第一歩だった。
辞める前に知っておくべき3つのこと
1. 柔道整復師の資格は「整骨院以外」でも活かせる
柔道整復師の資格を活かせる職場は、整骨院だけではありません。
- 介護施設(機能訓練指導員): 需要が高く、安定した待遇が期待できる
- スポーツジム・フィットネスクラブ: トレーナーとしてのキャリア
- 整形外科・リハビリ病院: 医療チームの一員として働ける
- 一般企業(営業・ヘルスケア分野): 対人スキルを活かした異業種転職
詳しくは以下の記事で解説しています。
▶ 柔道整復師の転職先まとめ|整骨院以外で資格を活かせる職場8選
2. 転職エージェントを使うと非公開求人にアクセスできる
治療家専門の転職エージェントには、ハローワークや求人サイトには掲載されていない非公開求人が多数あります。特に、待遇が良い求人ほど非公開で募集されている傾向があります。
▶ 【2026年版】柔道整復師におすすめの転職サイト・エージェント7選
3. 「辞めたい」は弱さではなく、キャリアの分岐点
「辞めたいと思うのは根性がないから」と自分を責める必要はありません。離職率60%という数字が示すとおり、整骨院の労働環境に構造的な問題があるのです。
大切なのは「辞める・辞めない」の二択ではなく、「自分の資格と経験を、どこで最大限に活かせるか」を冷静に考えることです。
▶ 治療家転職エージェントの選び方|失敗しない3つのポイント

僕自身、「辞めたい=根性がない」って思ってた時期があった。でも実際に転職してみたら、環境が変わるだけでこんなに楽になるのかって驚いたよ。
まとめ:整骨院の離職率の高さは「環境の問題」
整骨院の離職率が高い理由は、個人の根性や覚悟の問題ではありません。長時間拘束×低賃金、少人数職場の人間関係、キャリアの天井——この3つの構造的な問題が、多くの柔道整復師を消耗させています。
もし今の環境に限界を感じているなら、まずは情報収集から始めてみてください。転職エージェントへの相談は無料で、今すぐ辞める必要もありません。「選択肢がある」と知るだけで、気持ちは楽になります。


