「転職エージェントって、柔道整復師には本当に使えるの?」という疑問は、現場を知っている人ほど持ちやすいものです。整骨院の世界に長くいると、「どうせ整骨院か接骨院の求人しかないでしょ」と思い込んでしまいがちです。
ですが実際は、エージェントを活用することで選択肢が大きく広がります。この記事では、整骨院からの転職を実現した3人の体験談を、転職前の状況・エージェントの使い方・転職後の変化まで具体的にお伝えします。いずれも、整骨院での経験と資格を活かして、年収アップと労働環境の改善を同時に達成したケースです。
【成功事例1】整骨院→整形外科|年収280万→420万円(32歳男性)
転職前の状況
| 項目 | 転職前 | 転職後 |
|---|---|---|
| 職場 | 個人経営の整骨院 | 整形外科クリニック |
| 年収 | 280万円 | 420万円 |
| 残業 | 月40時間以上 | 月10時間以下 |
| 休日 | 週1日+不定休 | 週2日(日曜+平日1日) |
| 社会保険 | なし | 完備 |
個人経営の整骨院で8年間、施術からレセコン入力・レセプト管理まで一人でこなしていました。年収280万円という数字以上に、月40時間を超える残業と社会保険のなさが、将来への不安を大きくしていたといいます。
「いつかは転職したい」と思いながらも、「整骨院の経験が他で通用するかわからない」という不安から、なかなか踏み出せずにいたそうです。
エージェントの活用ポイント
最初は転職サイトで自力で探していたものの、「整形外科の求人は非公開が多い」と知り、治療家専門のエージェントに登録。アドバイザーから「あなたの8年の臨床経験なら、整形外科のリハビリ部門で即戦力として評価される」と言われ、自信がついたそうです。
面接対策では、「整骨院での施術内容を整形外科の業務にどう活かせるか」という切り口でアピールする方法をアドバイスされ、1社目で内定を獲得しました。整形外科側が求めているのは「施術の質」だけでなく、「患者さんとのコミュニケーション力」や「骨折・脱臼への対応経験」でもあります。整骨院での経験がそのまま強みになることを、アドバイザーに言語化してもらったことが大きかったといいます。
転職後の感想
「医師との連携で自分の施術の幅が広がった。何より、保険請求のストレスから解放されたのが大きい」とのことです。
柔道整復師として整形外科に移ると、保険請求の手続きはほぼなくなります。施術に集中できる環境が整い、「この仕事が好きだという気持ちを取り戻せた」という声は、この事例に限らず整形外科転職者の方々から繰り返し聞かれます。
関連記事:柔道整復師が整形外科に転職するメリット・デメリット完全版
【成功事例2】整骨院→介護施設|年収300万→380万円+土日休み(29歳男性)
転職前の状況
大手整骨院チェーンで4年間勤務。売上ノルマに追われ、患者さん一人ひとりに向き合える時間がなくなっていたことに違和感を覚えていました。年収は300万円で、休みは月6日の不定休。「仕事が忙しくて休日が読めないせいで、プライベートの予定が立てられない」という状況が続いていたそうです。
大手チェーン特有のノルマ文化に限界を感じながらも、「整骨院しか経験がない自分に選択肢はあるのか」という不安から、転職活動をためらっていました。
エージェントの活用ポイント
2社のエージェントに登録し、提案される求人を比較。1社目のエージェントからは整骨院の求人ばかり紹介されたため、治療家に特化したエージェントに相談先を切り替えました。特化型エージェントからは介護施設の機能訓練指導員の求人を3件紹介され、年間休日120日以上の施設に決めました。
機能訓練指導員は、柔道整復師・鍼灸師・理学療法士などが担える役職です。介護施設で利用者さんの日常生活動作(ADL)の維持・向上を支援するのが主な役割で、整骨院での施術経験がそのまま活きる仕事といえます。「患者さんに寄り添いたい」という思いを持ちながらも、ノルマ文化に消耗していた方には特に向いているポジションです。
転職後の変化
年収は80万円アップし、土日休みになったことで家族との時間が増えたそうです。「利用者さんの機能が回復していく過程を長期的に見られるのがやりがい」と語っています。
整骨院とは異なり、介護施設では一人の利用者さんと数ヶ月〜数年単位で関わります。「急かされることなく、本当に必要なケアに集中できる」という言葉に、整骨院での経験があるからこそ感じられる解放感が表れています。
関連記事:柔道整復師から介護施設へ転職|機能訓練指導員のリアルな仕事と年収
【成功事例3】整骨院→医療機器メーカー|年収350万→500万円(34歳男性)
転職前の状況
整骨院の分院長として6年間勤務。マネジメント経験はあったものの、年収は350万円で頭打ち。スタッフのシフト管理・患者対応・売上管理をすべてこなしながら、「このまま整骨院業界にいても年収は上がらない」と感じ、異業種への転職を決意しました。
分院長という立場ながら年収350万円というのは、柔道整復師業界では珍しくない実態です。管理職になっても給与が大幅に上がらないのは、業界全体の構造的な課題のひとつといえます。
エージェントの活用ポイント
治療家専門のエージェントと総合型エージェントの2社を併用。総合型エージェントのアドバイザーから、「柔道整復師の臨床経験+分院長のマネジメント経験は、医療機器メーカーの営業職で高く評価される」とアドバイスを受け、医療機器メーカーに応募しました。
医療機器の営業では、医師や医療スタッフへの製品提案が必要です。「臨床の言語で話せる」「治療現場の課題を知っている」という経験は、文系出身の営業担当にはない大きな武器になります。この強みを言語化して伝えてくれたのが、エージェントのサポートでした。
職務経歴書の書き方から面接での話し方まで、エージェントが丁寧にサポートしてくれたおかげで、異業種でも内定を勝ち取れたそうです。
転職後の変化
| 項目 | 転職前 | 転職後 |
|---|---|---|
| 年収 | 350万円 | 500万円(+インセンティブ) |
| 休日 | 月6日不定休 | 完全週休2日(土日祝) |
| 福利厚生 | 社保なし | 社保完備・退職金制度・家賃補助 |
年収アップだけでなく、退職金制度や家賃補助といった福利厚生が整ったことで、生活の安定感が大きく変わったといいます。「整骨院時代は、病気になったらどうしようという不安が常にあった。今はそれがない」という言葉が印象的です。
関連記事:柔道整復師が一般企業に転職する方法|営業・IT・医療機器メーカー
転職成功者に共通する3つの行動
行動1:在職中に転職活動を始めている
3人とも在職中にエージェントに登録し、転職活動を進めていました。辞めてから探すと焦りから妥協しがちです。在職中なら「いい条件がなければ見送る」という選択もできます。
整骨院は慢性的な人手不足のため、退職の意思を伝えるのが怖いという方も少なくありません。ですが、先に転職先を決めてから退職を切り出せれば、精神的な余裕が生まれます。「次が決まっているから」という安心感は、冷静な条件交渉にもつながります。
行動2:複数のエージェントを比較している
1社だけでは提案の質を判断できません。成功者は2〜3社に登録し、求人の質・アドバイザーの対応力・業界理解度を比較して、最も信頼できるエージェントを選んでいます。
治療家専門エージェントと総合型エージェントでは、得意な求人の種類が異なります。専門エージェントは整形外科・介護施設など医療系の非公開求人に強く、総合型エージェントは異業種転職サポートに強い傾向があります。転職の目的に合わせて使い分けるのが成功への近道です。どのエージェントを選べばよいか迷っている方は、柔道整復師におすすめの転職エージェント3選も参考にしてください。
行動3:自分の強みを言語化している
「整骨院で何をしてきたか」「どんなスキルがあるか」「どんな仕事がしたいか」を明確に言語化できている人ほど、エージェントからの提案の質が高まります。言語化に自信がなければ、エージェントとの面談で一緒に整理してもらうのも効果的です。
整骨院での経験を「施術をしていただけ」とまとめてしまうのはもったいないです。「スポーツ外傷の対応経験がある」「レセプト管理を一人でこなしてきた」「分院のスタッフをマネジメントしていた」など、具体的なエピソードとして語れるかどうかで、面接での印象は大きく変わります。年収アップ交渉の具体的な進め方については、柔道整復師が転職で年収アップする3つの交渉術でも詳しく解説しています。
柔道整復師の転職におすすめのエージェント
どのエージェントが自分に合うか判断する前に、実際に使った方の声を確認しておくのもひとつの方法です。治療家エージェントの評判・口コミ|実際に使った人の本音では、利用者のリアルな感想をまとめていますので、登録前にあわせてご覧ください。
国試黒本 治療家エージェント
柔道整復師・鍼灸師専門のエージェントです。整形外科・介護施設・スポーツジムなど、整骨院以外の求人も豊富に保有しています。業界を知り尽くしたアドバイザーが、あなたの経験に合った転職先を提案してくれます。今回の事例1・事例2のように、医療系施設への転職を検討している方に特におすすめです。
安定のお仕事
正社員転職に特化したサポートを提供しています。柔道整復師からの異業種転職にも対応しており、書類選考や面接対策まで手厚くサポートしてくれます。事例3のように医療機器メーカーや一般企業への転職を考えている方に向いています。
まとめ:エージェントは「使い方」で結果が変わる
柔道整復師の転職は「整骨院→整骨院」だけではありません。今回紹介した3人のように、整形外科・介護施設・一般企業など、資格と経験を活かせる職場は想像以上に多いのです。
3人に共通しているのは、「自分から動いた」という点です。在職中から情報収集を始め、複数のエージェントに相談し、自分の経験を言語化する作業を丁寧に行った。この3つを実行できれば、転職の可能性は大きく広がります。
まずはエージェントに相談して、自分の市場価値と選択肢を知ることから始めてみてください。相談は無料ですし、「転職しなければいけない」わけでもありません。「自分には何ができるか」を知るだけでも、今後のキャリアを考えるうえで大きなヒントになるはずです。


