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2026年7月療養費改定で勤務柔整師の給料はどう変わる?院長が言わない仕組みを解説

年収・待遇

著者: 高橋大輝(元柔道整復師8年・院長代理として保険請求担当)

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2026年7月1日、柔道整復施術の療養費が改定されました。院長から何の説明もありません。給料明細はまだ変わっていません。でも「何かが変わった」という空気は感じています——そんな状況の勤務柔整師は、いま日本中にいると思います。

私は8年間、院長代理として保険請求の実務を担当してきました。改定発表を最初に読んだ瞬間に「これはスタッフ全員に関わる話です」と確信しましたが、現場ではほとんど語られません。

この記事では、以下の3つを解説します。

  • ①改定の仕組み——2部位目から逓減が始まることの意味
  • ②給与への波及経路——院の収入が下がるとスタッフの給料に何が起きるか
  • ③自院の状態を見極める方法——多部位依存の院かどうかを自分で判断する3チェック

  1. 2026年7月療養費改定とは——何がどう変わったのか
    1. 多部位逓減ルールが「2部位目」から始まるように前倒しされた
    2. 料金表の変化——後療料は上がったのに「多部位請求」では実質マイナスになる逆説
    3. 2027年1月から始まる「償還払い新基準」は長期患者が多い院をさらに直撃する
  2. 勤務柔整師の給料がどう変わるのか——院の減収が給与に波及する仕組み
    1. 「院の収入がどれくらい変わるか」をスタッフが自分で読む方法
    2. 院長が「給与を上げられない」理由が変わる——勤務スタッフへの影響3パターン
  3. 「自院が危ない院かどうか」を見極める3つのチェックポイント
    1. チェック①〜③——来院患者の平均部位数・自費メニューの有無・明細書の発行状況
    2. 「自院がどちらか分からない」場合にやること——情報収集の限界と転職判断の分岐点
  4. 改定を機に転職を考えるなら——行動するタイミングの考え方
    1. 「院が赤字になってから」動いても遅い——勤務柔整師が見ておくべきサイン
    2. 改定後の求人市場の変化——増える求人と減る求人
  5. 治療家キャリアLabについて
  6. 2026年療養費改定と勤務柔整師への影響についてよくある質問
    1. Q1. 2026年療養費改定はいつから施行されますか?
    2. Q2. 多部位逓減とは何ですか?改定でどう変わりましたか?
    3. Q3. 勤務柔整師の給料は必ず下がりますか?
    4. Q4. 償還払いとは何ですか?勤務スタッフへの影響は?
    5. Q5. 療養費改定を理由に転職するのはアリですか?
  7. まとめ:柔道整復師 療養費改定
    1. 転職・キャリアでお悩みの方へ

2026年7月療養費改定とは——何がどう変わったのか

今回の改定の核心は「多部位逓減ルールの前倒し」です。競合記事は院長向けの「経営対策」ばかりですが、勤務スタッフが知っておくべきは「院の収入が構造的に変わる仕組みそのもの」です。

多部位逓減ルールが「2部位目」から始まるように前倒しされた

院長代理として保険請求実務を担当していた私が、発表資料を初めて読んだ瞬間「2部位目の患者が実質値下げになる」と即座に気づきました。旧ルールでは複数部位を同時に施術しても「3部位目から逓減」でしたが、2026年7月1日施術分から、逓減が「2部位目」に前倒しされました。

施術部位 改定前(旧ルール) 改定後(2026年7月1日〜)
1部位目 100% 100%(変更なし)
2部位目 100%(逓減なし) 80%に引き下げ
3部位目 60% 60%(据え置き)

逓減対象の施術は後療料・温罨法料・冷罨法料・電療料。なかでも後療料が実質的に最も影響が大きいです。

2026年7月改定前後 院収入シミュレーション

料金表の変化——後療料は上がったのに「多部位請求」では実質マイナスになる逆説

後療料は505円から550円に引き上げられました。一見「収入が増えた」ように映ります。ところが、ここに逆説があります。

後療料550円に逓減を適用すると、2部位目は550円×80%=440円になります。旧ルールでは2部位目も100%でしたから、2部位施術で計算すると旧1,010円→新990円に下がります。後療料が上がったのに、多部位の患者が多い院では請求が実質マイナスになる構造です。1部位のみの患者が多ければ増収になりますが、多部位請求が日常的な院には逆風となります。

2027年1月から始まる「償還払い新基準」は長期患者が多い院をさらに直撃する

もう一点、施行日が異なる変更があります。「償還払い新基準」の運用開始は2027年1月です。

「前月までの12か月間に通算8か月以上かつ通算9部位以上の施術を受けた患者」が対象となり、保険から自費への切り替えが求められます。長期・多部位の患者が多い院では患者離脱リスクが生まれます。2部位目逓減(2026年7月〜)と償還払い新基準(2027年1月〜)が重なり、多部位・長期通院依存の院は2段階で収入が落ちていく構造になります。


勤務柔整師の給料がどう変わるのか——院の減収が給与に波及する仕組み

療養費改定が勤務柔整師の給料に波及する仕組み(院の施術構成によって影響が異なる因果フロー図)

「院の収入がどれくらい変わるか」をスタッフが自分で読む方法

院長代理時代、改定のたびに保険請求の見込み収入を試算し直して院長に報告していました。2026年の改定案を見た瞬間、多部位請求が多い院は確実に収入が落ちると確信しました。

試算の起点はシンプルです。「あなたの院の患者の平均部位数は何部位か」——これだけで影響の大きさがだいたい読めます。いつき総研による参考試算(施術構成によって変わる参考値)では、1部位のみの患者は1日あたり+63円の増収、2部位施術の患者は-72円のマイナスとされています。

私の感覚では、平均2〜3部位の請求が常態の院では月次収入に一定の下落圧力がかかる可能性が高いです。確認できるのは「多部位請求中心の院ほど減収圧力が大きい」という方向性です。

院長が「給与を上げられない」理由が変わる——勤務スタッフへの影響3パターン

院の月次請求額が落ちれば、キャッシュが悪化し、人件費を抑える圧力が生まれます。勤務スタッフへの影響として起きやすいのは以下の3パターンです。

パターン①: 昇給の停止——予定していた昇給がなくなります。説明のないまま「なぜ上がらないのか」という不満だけが積み上がります。

パターン②: 賞与のカットまたは減額——月給を据え置いたまま賞与で調整するパターンです。療養費改定の影響は3〜6か月後の月次集計に出てくるため、年末の賞与に影響が出やすいです。

パターン③: 固定給引き下げの打診——これが来た場合、院の経営が相当厳しくなっているサインです。

院長がスタッフに改定の影響を説明しないケースは少なくありません。スタッフは構造を知らないまま一方的な通告を受けることになります。


「自院が危ない院かどうか」を見極める3つのチェックポイント

保険請求を担当していた立場から、どの院が危ないかを見分けるポイントは3つあると思っています。スタッフは院の財務諸表を見られませんが、受付やフロアで観察できる情報だけでもある程度の判断はできます。

チェック①〜③——来院患者の平均部位数・自費メニューの有無・明細書の発行状況

チェック①: 来院患者の平均部位数

これが最も重要な指標です。受付に立つスタッフであれば、カルテや施術記録から今日の患者の平均部位数を大まかに把握できる場合があります。「平均2.5部位以上が常態の院」は、今回の改定でより大きな収入下落圧力を受ける可能性が高いです。

チェック②: 自費メニューが院の収益の一部になっているか

自費診療の売上比率が高い院は、療養費改定の影響を受けにくいです。「自費に力を入れていこう」という方針が院長から出ているか、「保険でいく」かを把握しておくだけで、院の将来像がある程度見えてきます。

チェック③: 明細書の発行に積極的か

今回の改定で、明細書は「支払いを受けるごとの交付」が原則となりました。あわせて加算の名称が「明細書発行体制加算」から「明細書発行加算」に変更され、発行するごとに10円の加算が毎回算定できるようになりました(患者の希望があれば月1回まとめ発行も引き続き可)。この対応が丁寧な院は制度変更への意識が高いです。対応が雑な院は全体的に後手になりやすいです。

「自院がどちらか分からない」場合にやること——情報収集の限界と転職判断の分岐点

3つのチェックをしてみても「うちはどっちか分からない」という場合もあります。スタッフが観察できる情報には限界があります。院長に直接「療養費改定の影響はうちの院はどうですか?」と聞ける関係性があれば聞くのが一番早いです。

聞ける状況にない、または要領を得ない答えが返ってくるなら——それ自体が一つの情報です。不確実なまま働き続けることがリスクに感じるなら、転職するかどうかの決断より前に「どんな選択肢があるか」を把握しておくことが選択肢を広げます。

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改定を機に転職を考えるなら——行動するタイミングの考え方

「院が赤字になってから」動いても遅い——勤務柔整師が見ておくべきサイン

院の経営が悪化してから転職活動を始めると選択肢が狭まります。院が追い詰められれば「焦って動かざるを得ない」状況になり、焦った転職が良い結果を生むとは限りません。

院長が改定の話を一切しない、事前説明なく賞与が少なかった、新しいスタッフが採用されなくなった——これらが重なるようであれば、院が経営上の危機感を抱いているサインです。

改定後の求人市場の変化——増える求人と減る求人

多部位依存の院では経営が悪化するとスタッフが辞め、求人が増えます。ただし「経営が苦しくなって人が辞め、また募集している」という構造の求人も紛れ込みます。自費診療に移行済みの院は安定して求人を出せますが、そういった院の求人は早く埋まります。

自分は改定発表のたびに「続けていていいのか」と考えてきました。答えが出なくても、早めに動き始めたほうが選択肢は広い——これが8年間働いてきた実感です。

転職の判断基準を詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてお読みください。
柔道整復師はやめたほうがいい?8年の現場経験から言える本当の理由


治療家キャリアLabについて

高橋大輝です。柔道整復師8年・院長代理として保険請求担当の経験をもとに、治療家のキャリア情報をお届けしています。院長目線とスタッフ目線では同じ改定でも見え方がまったく違います。勤務柔整師が自分の立場から判断できる記事を書き続けることがこのメディアの目的です。転職相談は迷っている段階からでも、お気軽にご相談ください。

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2026年療養費改定と勤務柔整師への影響についてよくある質問

Q1. 2026年療養費改定はいつから施行されますか?

令和8年(2026年)7月1日施術分から適用されます。2部位目80%・3部位目60%への逓減変更と後療料550円への改定が同日に施行されました。

Q2. 多部位逓減とは何ですか?改定でどう変わりましたか?

複数部位を同時に施術した場合に算定率を引き下げる仕組みです。改定前は「3部位目から逓減」でしたが、改定後は「2部位目から逓減」に前倒しされました。後療料550円×80%=440円が2部位目の算定額となります。

Q3. 勤務柔整師の給料は必ず下がりますか?

院の施術構成によって影響が異なります。1部位のみの患者が多い院では後療料増額(+45円)の恩恵があります。2〜3部位の請求が多い院は逓減強化の影響を受けやすく、院の月次収入に下落圧力がかかりやすいです。自分の院の施術構成を確認することが最初のステップです。

Q4. 償還払いとは何ですか?勤務スタッフへの影響は?

一旦患者が全額自己負担し後から保険者に請求する仕組みです。新基準では「前月までの12か月間に通算8か月以上かつ通算9部位以上の施術を受けた患者」が対象となります。運用開始は2027年1月で、長期多部位患者の通院継続率が下がるリスクがあります。

Q5. 療養費改定を理由に転職するのはアリですか?

正当な理由の一つになります。院の収入構造が変わり給与に波及する可能性を見越して動き始めることは合理的です。ただし改定の影響が自院にどの程度出るかを確認した上で行動に移す方が、転職後の満足度が高まりやすいです。


まとめ:柔道整復師 療養費改定

今回の改定を3点で整理します。

  • 改定の核心: 2部位目の逓減が前倒し(100%→80%)。後療料は上がったが多部位依存院では実質マイナス
  • 自院の見極め3チェック: 患者の平均部位数・自費メニューの有無・明細書発行への対応
  • 早く動くほど選択肢が広い: 院が赤字になってから動くより今の段階で選択肢を把握しておく

今の院が危ないかどうか分からないまま働き続けるより、治療家専門のキャリアアドバイザーに無料で相談してみてください。転職するかどうかは相談後に決めればOKです。

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執筆: 高橋大輝(元柔道整復師・院長代理経験 / 治療家キャリアLab)
更新: 2026年7月

この記事を書いた人
高橋 大輝
柔道整復師として整骨院で8年間勤務し、院長代理として現場管理も経験。自身の転職活動で複数のエージェントを使い比較した経験をもとに、治療家の転職・キャリアに関する情報を発信しています。資格取得から独立まで、現場目線でお届けします。

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