柔道整復師になってから、何度「辞めようか」と思ったか数えきれない。
院に着くのが8時で、帰れるのが22時過ぎ。手取りは18万円。保険請求の締め切り前には無給で事務作業が続き、先輩には「これが当たり前だ」と言われた。それでも、「患者さんが回復した」という瞬間があるから続けてきた。
8年間、院長代理まで務めた私がいま断言できるのは——「柔道整復師はやめたほうがいい」という結論は単純すぎる、ということです。
辞めるべき人と、続けた方がいい人が明確に存在します。
この記事では、私自身の経験と業界の実態をもとに、あなたが「辞めるかどうか」を冷静に判断するための材料を全部並べます。感情論ではなく、数字と判断基準で。
この記事を読んでわかること:
- 「やめたほうがいい」と言われる7つの理由の実態
- 2026年7月の療養費改定が手取りに与える具体的な影響
- ブラック整骨院を見抜くチェックリスト10項目
- 辞めた元柔整師たちの転職後の実態
- あなたが「辞めるべきか・続けるべきか」の判断基準
柔道整復師が「やめたほうがいい」と言われる7つの理由
柔道整復師に関する検索をすれば、すぐに「やめたほうがいい」「やめとけ」という言葉に行き当たります。なぜここまでネガティブな評価が蓄積されているのか。7つの理由を具体的に見ていきましょう。

①給与が低い——「学費300〜500万円」を回収するのに何年かかるか
柔道整復師を含む「その他の保健医療従事者」区分の平均年収は約459万円です(令和5年賃金構造基本統計調査)。
数字だけ見ると「悪くないのでは?」と思うかもしれません。しかし問題は、そこに到達するまでの「入口の低さ」にあります。
専門学校3年間の学費は、私立であれば300〜500万円が相場です【要ファクトチェック: 専門学校学費の相場 / 出典: 各校の公式サイト情報をもとに構成】。
初任給の実態は月給16〜20万円。社会保険なしの求人も珍しくありません。
ここで一つの計算をしてみましょう。
「学費400万円 ÷ 手取り月18万円 = 約22ヶ月」
単純計算で、卒業後2年近くを「学費の回収」だけに費やすことになります。医師や弁護士と比べるのは酷としても、看護師の初任給が月22〜25万円であることを考えると【要ファクトチェック: 看護師初任給相場 / 出典: 厚生労働省賃金構造基本統計調査を想定】、「なぜこの仕事を選んだのか」と自問してしまう瞬間があるのは確かです。
高橋(元柔道整復師・院長代理)の体験談
「私が最初に就職した院の初任給は手取り17万8千円でした。当時支払っていた奨学金の返済が月3万5千円。家賃・生活費を引くと、手元に残るのは月に4〜5万円。焦りではなく、『これが業界標準なのか』という虚無感がありました。院長代理になった後も、手取りで大幅に改善されたかというと——そうではなかった。」
②拘束時間が長い——実労働と拘束時間のギャップ
接骨院・整骨院の多くは「9時〜21時拘束」という形態を取っています。しかし昼間の12時〜15時は「休憩」として扱われるため、実労働時間の計算から外れることがほとんどです。
年間休日の実態は約72日という集計があります(業界求人データをもとにした参考値)。一般的な事務職・製造業の年間休日が120日以上であることを考えると、約50日の差があります。
50日とは、約7週間。それだけの「休み」が毎年少ない状態で働き続けることの疲弊は、在職5年以上になると如実に体に出てきます。
開院前の準備(器具の消毒・設備整備)、閉院後の片付けとカルテ処理、月末の保険請求事務——これらは「勤務時間外の当然の仕事」として扱われる院が多く、無給労働の温床になっています。
③身体的負担が大きい——腰痛・腱鞘炎は職業病
患者の身体を施術する仕事であることから、施術者自身の身体への負担は避けられません。
腰痛・腱鞘炎は、長く働くほどリスクが高まる「職業病」と言っていいでしょう。1日に施術する患者数が多い院では、手首・肘・腰への蓄積負荷が慢性化します。
「患者の回復を支える仕事なのに、自分の身体が先に壊れる」——これは業界内でよく聞かれる皮肉です。
立ち仕事であることも大きく影響します。空調管理が不十分な院では、夏の熱中症リスク・冬の冷え性悪化といった問題も起きやすい環境です。
④施術所数の過剰供給——コンビニより多い競合との戦い
全国の柔道整復施術所の数は、令和4年時点で50,000箇所を超えています【要ファクトチェック: 施術所数 / 出典: 厚生労働省 令和4年衛生行政報告例を想定】。
「コンビニより多い」という表現が業界内でよく使われますが、実際にコンビニの全国店舗数は約57,000店(2024年度末・日本フランチャイズチェーン協会統計)ですから、それに匹敵する数の接骨院が日本中に存在することになります。
同時に、毎年約5,000人が新たに資格を取得して業界に入ってきます。需要の伸びと供給数が見合っておらず、院の経営は構造的に厳しくなっています。
経営が厳しくなれば、当然しわ寄せは勤務スタッフの給与に来ます。「院の売上が落ちているから給与を上げられない」という構造から、業界全体として賃上げが起きにくい状況が続いています。
⑤将来性への不安——保険依存ビジネスに潜むリスク
整骨院・接骨院の収益の多くは、健康保険の療養費請求に依存しています。
この構造自体がリスクです。不正請求問題が業界イメージを長期的に毀損してきた経緯があり、行政の締め付けは年々強化されています。
次のh2で詳しく解説しますが、2026年7月には療養費の算定方法が大きく変わる改定が施行されます。これは保険依存の院にとって実質的な減収を意味します。
「保険がいつかなくなる」という不安は、業界内で長く語られてきたテーマです。現実には完全廃止は考えにくいとしても、「保険だけに頼れない時代」はすでに来ています。
⑥国家試験合格率の低さ——既卒者の合格率11.5〜35.9%の現実
これはまだ資格を持っていない、あるいは目指している段階の方に特に関係する情報です。
柔道整復師の国家試験は新卒合格率こそ60〜70%台を維持していますが、既卒者(2回目以降の受験)の合格率は11.5〜35.9%と大幅に低下します【要ファクトチェック: 国家試験合格率(既卒) / 出典: 厚生労働省「第32回柔道整復師国家試験の合格発表について」等を想定】。
一度落ちると合格が格段に難しくなる試験構造になっているため、「専門学校を卒業したのに試験に通らない」という状況が珍しくありません。
300〜500万円の学費をかけて3年間通い、試験に通らなければ資格が取れない——このリスクは進路選択の段階で正確に認識しておくべき情報です。
⑦職場の人間関係——体育会系文化が残る職場のリアル
7つ目の理由として、職場の人間関係・文化的な問題があります。
接骨院・整骨院の職場文化は、いまだに体育会系の縦社会が残っている場合があります。スポーツ経験者が多い業界性もあり、「先輩の言うことは絶対」「残業は当然」という空気が根強い院では、若手スタッフが精神的に追い詰められやすい環境が生まれています。
高橋(元柔道整復師・院長代理)の体験談
「私が院長代理を務めていた時期、スタッフの離職で最も多かった理由は給与ではありませんでした。『先輩との関係がしんどい』『院長に意見を言えない』という声が圧倒的に多かった。求人票には書かれないその院固有の文化を、入職前に見抜くのは本当に難しい。私自身も20代の頃、先輩から『患者さんの前で怒鳴られる』という経験を複数回しています。それが当たり前だと思い込むまでに時間がかかりました。」
職場の人間関係が限界に来たら、それは「やめるべき判断基準」の一つになります。この点については後述します。
【2026年7月施行】療養費改定が経営・給与に与えるインパクト
2026年7月、柔道整復施術の療養費算定ルールが大きく変わります。これは勤務柔整師の給与にも直接影響する重要な改定です。

何が変わるのか——2部位目80%・3部位目60%の意味
改定の核心は「多部位同時施術の算定率変更」です。
これまでの算定方式では、複数の部位を同時に施術した場合でも比較的高い療養費を請求できていました。改定後は以下のルールに変わります。
| 施術部位 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| 1部位目 | 100% | 100%(変更なし) |
| 2部位目 | 従来算定 | 80%に引き下げ |
| 3部位目以降 | 従来算定 | 60%に引き下げ |
さらに2027年1月からは、定量基準による「償還払い」変更基準も適用開始となります【要ファクトチェック: 2026年7月施行の療養費改定詳細 / 出典: 厚生労働省通達・中央社会保険医療協議会資料を想定】。
高橋(元柔道整復師・院長代理)の体験談
「院長代理として保険請求を担当していた経験から言うと、この改定のインパクトは相当大きい。私がいた院では、1患者あたり平均3〜4部位の請求が日常でした。2部位目が80%・3部位目が60%になると、患者1人あたりの平均請求額は10〜20%ほど下がります。患者数を大幅に増やさない限り、院の月次収入は確実に下がります。」
勤務柔整師への影響——院が赤字になると給与が下がる構造
では、この改定が勤務柔整師にどう影響するのかを考えてみます。
試算モデル(月100件・平均3部位請求の院の場合)
改定前の療養費請求額を仮に100として計算すると、3部位目の請求が60%になることで、月次の請求総額はおよそ10〜15%減少する可能性があります【要ファクトチェック: 療養費改定による院収入減少率試算 / 出典: 厚生労働省の改定資料に基づく独自試算・精査必要】。
院の収入が下がる → 人件費が削られる → 勤務スタッフの給与が据え置き、または引き下げられる。
この連鎖は容易に想像できます。実際、改定情報が出た後から「転職を相談したい」という声が業界内で増えているのは、この不安を反映しています。
転職を考えているのであれば、「院の経営が悪化してから動く」では遅い場合があります。院が赤字になってから給与交渉を試みても、原資がない状態では交渉の余地がありません。「改定施行前に自分のキャリアを整理しておく」というタイミングの視点も、判断材料の一つです。
高橋が8年間で見てきた「本当にやめるべき職場」の特徴
理由を並べることはどの記事でもできます。ここからは私自身の目線で「やめるべき職場」の見抜き方をお伝えします。
院長代理として複数のスタッフの入退職に関わり、採用にも携わった経験から言えること——ブラックな職場には「求人票の段階で見えるサイン」と「入職後に気づくサイン」の2種類があります。

求人票で分かるブラックのサイン——3つの危険信号
危険信号①: 「社会保険なし」または「加入予定」という記載
社会保険(健康保険・厚生年金)への加入は、従業員5人以上の事業所には義務があります(個人事業主として開業している院は条件が異なります)。求人票に「社会保険なし」と書かれている、または記載が曖昧な場合は注意が必要です。
将来の年金受給額にも直接影響するため、これは単なる「待遇の問題」ではありません。
危険信号②: 月給に「歩合給」の組み合わせ
「月給18万円(歩合別途)」という表記は一見プラスに見えますが、実態として「基本給が低く抑えられており、歩合で補う構造」であることが多い。患者数が減れば即座に手取りが下がるリスクがあります。
高橋(元柔道整復師・院長代理)の体験談
「私が最初に応募した院の求人票は、正直な表現だったと思います。でも2件目に応募した院は『月給22万円以上可能』という記載でした。いざ入職してみると、その『以上可能』は月に60〜70名の患者を担当する想定での試算。入職半年で患者30〜40名しか担当できていない段階では手取り17万5千円でした。年間休日も求人票の記載より15日少なかった。」
危険信号③: 「年間休日○○日以上」という曖昧表記
「以上」という言葉は、「その日数を保証するわけではない」場合があります。具体的な休日カレンダーの提示を面接で求め、渋られるようであれば確認すべきサインです。
入職後3〜6ヶ月——今の職場を「やめるべき」と判断する基準5つ
入職してから「ここは違う」と気づいても、「もう少し様子を見よう」と思いがちです。しかし私の経験上、入職3〜6ヶ月の段階で以下の5つが当てはまる場合、その環境が改善される可能性は低いと言えます。
判断基準①: 残業代が一度も支払われていない
サービス残業が当然視されている職場では、それを「当たり前」と感じるよう洗脳されていく傾向があります。労働基準法違反が常態化している職場は、他のルールも守られない可能性が高い。
判断基準②: 同期・直前の先輩が3ヶ月以内に退職した
離職率の高さはその院固有の問題を反映しています。「たまたま」が重なることはあっても、複数人が短期間で辞めている院は構造的な問題を抱えていることが多い。
判断基準③: 施術スキルを教わる機会がほぼない
「見て覚えろ」文化が徹底されており、スキルアップの機会が一切ない院では、在籍しても成長できません。3〜5年後の自分を想定した時に、「今の院での経験が転職に活きるか」を考えてみることも一つの視点です。
判断基準④: 院長・上司に意見を言える雰囲気がない
「先輩には逆らえない」「院長の言うことは絶対」という文化は、問題が起きた時に改善の余地がないことを意味します。ハラスメント的な発言・行動を「指導の一環」として受け入れることを求められている場合、それは「やめるべき職場」のサインです。
判断基準⑤: 手取りが求人票の記載を下回っている
入職後に「こんな条件のはずではなかった」と気づいた場合、まず院長・管理者に確認することが先決ですが、「それが当院のルール」として改善の意向がない場合は、法的観点からも問題があります。
今の職場を辞めるべきか迷っているなら、治療家専門のキャリアアドバイザーに無料で相談してみてください。転職するかどうかの判断を一緒に整理してくれます。
3年離職率30%の現実——辞めた元柔整師たちは「今どうなっているか」
「3年以内に約30%が辞める」という数字が柔道整復師業界には存在します(業界転職メディア集計値)。10人入れば3人は3年以内にいなくなる計算です。
では、辞めた人たちは今どうなっているのか。

よくある転職先と実際の年収変化
現役・元柔整師の声をもとに構成した転職先の実態を整理します【要ファクトチェック: 転職後年収変化データ / 出典: 業界転職体験記・キャリア相談データをもとに構成・精査必要】。
転職先① 異業種(営業・事務・ITサポート等)
「資格を使わない転職」を選ぶケースで最も多いのが営業職です。「コミュニケーション能力が高い」「患者対応で鍛えられた説明力がある」という点が評価されやすく、医療機器・健康食品関連の企業では「柔道整復師経験者」を積極採用するケースもあります。
年収変化の傾向: 入職1〜2年目では下がる場合があるが、2〜3年で逆転するケースが多い。
転職先② 介護分野(介護施設・通所リハビリ)
資格・スキルを活かしながら労働環境を改善できる選択肢として、介護施設への転職が増えています。平日日中勤務が多く、年間休日の実態が改善される傾向があります。
年収変化の傾向: 即座のアップは少ないが、残業が減ることで実質的な時給が上がるケースが多い。
転職先③ スポーツトレーナー・フィットネス業界
柔整師としてのスキルが最も活きる転職先の一つ。プロスポーツチームへの就職は競争率が高いですが、フィットネスジム・スポーツクラブでのトレーナー職は求人数も多く、業界経験者には強い訴求ポイントになります。
高橋(元柔道整復師・院長代理)の体験談
「私が8年の経験を経て転職を真剣に考えた時、まず相談したのは治療家専門のエージェントでした。『施術スキルは業界をまたいでも通用する』と言われた時、最初は信じられなかった。でも、実際に転職した元同僚の話を聞くと——『整骨院のあの環境に戻りたいとは思わない』という声が圧倒的に多かった。」
施術スキルは異業種でも通用する——転職成功者の共通点
転職を果たした元柔整師の体験談を横断して見えてくる共通点があります。
それは「資格を使わなくてもよかった」という発見です。
施術スキルそのものよりも、8年間で培った「身体の仕組みへの知識」「患者コミュニケーション力」「場を読む感覚」「体力・忍耐力」が、異業種でも評価されるケースが多い。
転職後に「整骨院に戻りたい」と感じる人が少ない理由の一つが、「辞めてみて初めて、あの環境がいかに特殊だったか気づいた」という気づきにあります。「あの拘束時間が当たり前じゃなかった」「9時〜17時の仕事でもちゃんと生活できる」という発見が、転職後の満足度を高めている傾向があります。
やめたほうがいい人・続けてもいい人——判断チェックリスト
「やめたほうがいいのはわかった。でも自分の場合はどうすればいい?」
この問いに答えるのが、このセクションです。

やめたほうがいい人の条件5つ
以下の5つのうち、3つ以上当てはまる場合は転職を真剣に検討すべき状況と言えます。
条件①: 「転職したい」と思い始めて1年以上経過している
「いつかは辞めよう」と思いながら1年以上動けていない場合、タイミングを逃している可能性が高い。特に20代後半〜30代前半の方は、「ポテンシャル採用」の対象となる年齢の上限に近づいています。
条件②: 入職1年以内に残業代の未払いが発覚した
法令違反が常態化している職場は、交渉で改善される可能性が低い。在籍し続けることで「これが普通」と感覚が麻痺していくリスクもあります。
条件③: 手取り収入が生活設計上の最低ラインを下回っている
将来の結婚・子育て・住居など、ライフプランと現在の収入が乖離している場合、「もう少しすれば上がる」という期待が根拠を持っているかを確認する必要があります。院の経営状況と昇給の実績を確認してみてください。
高橋(元柔道整復師・院長代理)の体験談
「私が『自分はやめるべき』と判断した瞬間は、院長代理になってから2年が経ち、それでも手取りが大学卒業直後の事務職の友人より低いと気づいた時でした。在職中は視野が狭くなりがちです。外の世界を知ることが、判断の出発点になりました。」
条件④: 職場のハラスメントが継続していて改善される見込みがない
言葉の暴力・過度な叱責・無視・不当な評価——これらが「指導の一環」として正当化されている職場では、精神的な消耗が蓄積します。心身の健康は、どのキャリア判断よりも優先すべき要素です。
条件⑤: 施術スキルが伸びている実感がなく、将来のキャリアが見えない
同じ業務の繰り返しで成長実感がない場合、「このまま3年・5年いたとして何が変わるか」を問いかけてみてください。成長の機会がない職場での在籍は、転職市場における自分の価値を高めません。
続けてもいい人の条件5つ
逆に、以下の条件が当てはまる場合は、今の職場での継続・もしくはより良い院への転院という選択肢も現実的です。
条件①: 自費診療・スポーツ現場・独立などの具体的なキャリアパスが見えている
保険依存でない収益構造を持つ院で働いている、またはスポーツ現場への就職が決まっているなど、「保険改定の波を受けにくい」ポジションにいる場合は、継続の合理性があります。
条件②: 施術スキルへの手応えと患者からの信頼を感じている
「患者さんが良くなっていく」というやりがいを日常的に感じており、それがモチベーションの源泉になっている場合、その感覚は大切にする価値があります。
条件③: 院の経営が安定していて昇給の実績がある
院の業績が安定しており、年1回以上の昇給実績がある場合は、中長期的なキャリア形成の土台になります。
条件④: 職場の人間関係が良好で学べる環境がある
先輩から学べる環境・フィードバックが得られる職場文化・同僚との切磋琢磨がある場合、その環境は希少です。
条件⑤: 独立・開業への具体的な準備が進んでいる
「将来は自分の院を持ちたい」という明確な目標があり、そのための資金・顧客・スキルの準備が進んでいる場合、今の職場での在籍が「独立への準備期間」として意味を持ちます。
チェックリストで転職を考え始めた方は、まず専門エージェントへの無料相談がおすすめです。柔道整復師専門のアドバイザーが、あなたの状況に合ったキャリアプランを提案します。
辞めるなら年代別戦略——20代と30代以降では選択肢が大きく違う
転職は「今の職場を辞める」という判断と、「次をどこにするか」という判断が切り離せません。そしてこの「次」の選択肢は、年齢によって大きく変わります。

20代なら今すぐ動くのが最適解——異業種転職が最もしやすい時期
20代の転職市場では「ポテンシャル採用」という採用枠が多く機能しています。「過去の経験よりも将来の伸びしろ」を評価する採用方式で、異業種への転職扉が最も開いているのが20代です。
特に25歳前後が「ポテンシャル採用のピーク」とされることが多く、20代後半になるにつれて「即戦力性」を求められる傾向が強まります。
「柔道整復師の経験は使えないかもしれない」という不安は、20代の転職ではほぼ無用です。コミュニケーション力・体力・忍耐力・説明能力——これらは異業種でも評価される素養です。
高橋(元柔道整復師・院長代理)の体験談
「私が20代のうちに転職活動を始めようと思ったのは2回ありました。でも両方とも、踏み出すことができなかった。『もう少し経験を積んでから』という言葉で自分を納得させ続けました。今振り返ると、20代の間に動いていれば選択肢はもっと広かった。これが正直な話です。」
20代であれば、柔道整復師の資格を「持っていてもいい保険」として維持しながら、全く異なる業界への転職にチャレンジすることを、私は当時の自分に勧めたいと思っています。
30代以降は資格活用型が現実路線——スポーツ・介護・管理職
30代以降の転職市場は、「何ができるか」という即戦力性が強く問われます。完全な異業種転職が不可能ではありませんが、20代に比べて書類選考のハードルが上がる傾向があります。
その分、「柔道整復師としてのスキル・経験」を活かした転職先では、30代の経験値が武器になります。
30代以降の転職先として現実的な選択肢:
- 介護・リハビリ分野の管理職: 施術スキル + マネジメント経験の組み合わせが評価される
- スポーツトレーナー(フィットネス・スポーツクラブ): 資格・実技スキルが活きる
- 医療機器・健康食品の営業職: 知識・専門性が信頼感につながる
- 独立開業(自費診療特化型): 保険依存からの脱却が成功の鍵。資金計画が重要
30代でも「やめる」という選択は遅くありません。ただ、20代より情報収集と準備の期間を丁寧に取ることが大切です。
年代別の転職先選びに迷ったら、複数のエージェントを比較できるサービスで自分に合ったサポートを探すのが近道です。
転職を相談するなら——柔道整復師専門と総合型エージェントの使い分け
「転職エージェントを使ってみたいが、どこに相談すればいいかわからない」
この疑問にお答えします。

柔道整復師専門エージェントが向いている人
こんな方に向いています:
- 治療家・施術者としてのキャリアを継続したい
- 同業種・隣接業種(介護・スポーツ)への転職を考えている
- 整骨院・接骨院・リハビリ施設の非公開求人を知りたい
- 業界の給与相場・職場環境について専門的なアドバイスが欲しい
柔道整復師専門のキャリアアドバイザーは、業界構造・院の経営状態・職場文化を熟知しています。「どの院が働きやすいか」という情報は、業界外のアドバイザーには持てない強みです。
複数の転職サービスを比較したい方は柔道整復師におすすめの転職サイト7選も参考にしてください。
総合型エージェントが向いている人
こんな方に向いています:
- 業界を完全に変えて異業種へ転職したい
- 「何がしたいか」より「何ができるか」から探したい
- 首都圏・大都市圏の求人を幅広く見たい
- 複数の業界・職種を比較してから判断したい
総合型エージェントは求人数・業種の多様性が強み。ただし「柔道整復師の実態を深く理解した上でのアドバイス」は、専門型には及ばないことがあります。
異業種転職を希望する場合は、専門型と総合型を並行して使うのが最も情報量を確保できる方法です。
治療家キャリアLabについて
このメディアを運営している高橋大輝です。
柔道整復師として8年間、院長代理まで務めた経験をもとに、治療家のキャリアに関する情報をお届けしています。「転職するかどうかの判断を、もっと情報に基づいてできる人を増やしたい」という思いで記事を書いています。
転職を検討している方はもちろん、「今の職場でいいのかどうか迷っている」という段階の方の相談も歓迎しています。
柔道整復師をやめたほうがいいかについてよくある質問
まとめ:柔道整復師をやめたほうがいいか悩んだら
この記事で伝えたかったのは、「やめたほうがいい」という単純な結論ではありません。
判断するための材料です。
3つの判断基準を持ち帰ってください:
-
今の職場の環境が問題なのか、業界全体の構造が問題なのかを区別する——ブラックな院から良い院に移ることで解決する場合と、業界構造そのものから離れる必要がある場合では、取るべき行動が違います。
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2026年療養費改定のタイムラインを意識する——院の経営が悪化してから動くより、改定前に自分のキャリアを整理しておく方が選択肢が広い。
-
年齢に応じた転職戦略を選ぶ——20代は「異業種フルオープン」で動ける最後の時期。30代以降は「資格・経験を活かした転職先」を軸に考える。
迷ったままでいることは、選択肢を消費することでもあります。
まずは無料で相談だけでもOKです。
正社員での転職サポートはこちら:
転職サイト・エージェント比較まとめはこちらからどうぞ。
執筆: 高橋大輝(元柔道整復師・院長代理経験 / 治療家キャリアLab)
更新: 2026年7月


