この記事でわかること
- 整骨院で働く柔道整復師の年収データ(年代・施設規模別)
- 整骨院の年収が低い3つの構造的な理由
- 年収を上げるための具体的な打開策3つ
- 年収アップに成功した柔整師のリアルな事例

「整骨院で働いてるけど、給料が上がる気配がない」——僕もまさにこれだった。8年間、手取り19万〜22万をウロウロ。でも原因を知ったら、打ち手が見えてきたよ。
整骨院で働く柔道整復師の年収が低いのは、個人の努力不足ではありません。業界の構造そのものに原因があるからです。
「頑張れば給料は上がる」「経験を積めば報われる」——残念ながら、この業界ではそう単純にはいきません。なぜ低いのかを正しく理解し、構造の外にある選択肢を知ることが、年収を上げるための第一歩です。
この記事では、整骨院の年収が低い本当の理由を業界構造から解き明かし、具体的な3つの打開策を提示します。
整骨院で働く柔道整復師の年収データ
まず、現実の数字を確認しましょう。
全体の平均年収
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 平均年収 | 約378万円 |
| 平均月給 | 約26万円(額面) |
| 手取り月給 | 約20〜22万円 |
| 中央値 | 約350万円 |
| 日本の給与所得者平均 | 約460万円 |
日本の平均年収と比べると、約80万円の差があります。
年代別の年収
| 年代 | 平均年収 | 手取り月給の目安 |
|---|---|---|
| 20代前半 | 280〜320万円 | 18〜20万円 |
| 20代後半 | 320〜370万円 | 20〜22万円 |
| 30代 | 350〜420万円 | 22〜26万円 |
| 40代以上 | 400〜500万円 | 25〜32万円 |
20代の間はとくに厳しく、手取り20万円を切るケースも珍しくありません。30代以降で分院長や管理職に就ければ多少上がりますが、勤務柔整師のまま年収500万円を超えるのは少数派です。
施設規模別の年収
| 施設タイプ | 年収の目安 | 昇給の仕組み |
|---|---|---|
| 個人院(スタッフ1〜3人) | 280〜380万円 | ほぼなし。院長の裁量次第 |
| 中規模院(5〜10人) | 330〜420万円 | 評価制度がある場合も |
| グループ院(複数院展開) | 350〜520万円 | 昇格・分院長制度あり |
| 整形外科 | 350〜500万円 | 病院の給与体系に準拠 |

数字だけ見ると辛いよね。でも大事なのは「なぜ低いのか」を正しく理解すること。原因がわかれば、打ち手も見える。
整骨院の年収が低い3つの構造的な理由
整骨院の年収が低いのは、あなたのスキルや努力の問題ではありません。業界構造そのものに原因があります。
理由1:保険施術の単価が低すぎる
整骨院の収入の柱は、健康保険を使った施術です。しかし、保険施術の1回あたりの単価は500円〜2,000円程度。
1日に20人を施術しても、1日の売上は1万円〜4万円。ここから家賃・光熱費・材料費・人件費を差し引くと、スタッフの給料に回せる金額は限られます。
保険施術だけで高い給料を払える整骨院は、構造的にほぼ存在しないのです。
さらに、不正請求の取り締まりが強化されたことで、かつてのように「水増し請求で利益を出す」手法は使えなくなりました。正しく運営すればするほど、保険だけでは経営が苦しくなるという矛盾があります。
理由2:競合が多すぎる
柔道整復師の施術所は全国で約50,000軒以上。この数は大手コンビニチェーンの店舗数に匹敵します。
患者の数に対して施術所が多すぎるため、1院あたりの患者数が減少しています。特に都市部では駅前に3〜4軒の整骨院が並んでいることも珍しくありません。
患者の奪い合いが起きている市場で、スタッフの給料を上げる余裕がないというのが現実です。
理由3:給与を上げる仕組みがない
これが最も根深い問題です。大企業であれば「年次昇給」「賞与」「昇格制度」がありますが、個人経営の整骨院にそんな仕組みはないのが普通です。
院長の感覚で「頑張ってるから来月から1万円上げるよ」という程度。逆に、業績が下がれば何の説明もなくボーナスがカットされることもあります。
評価制度がないから頑張りが報われない。報われないからモチベーションが下がる。モチベーションが下がるから成果が出ない——この負のループが、整骨院の低年収を固定化しています。

つまり「頑張れば給料が上がる」なんて保証はどこにもない。この現実を受け入れた上で、じゃあどうするかを考えよう。
年収を上げるための3つの打開策
構造的な問題を理解した上で、年収を上げるための具体的な打開策を3つ紹介します。
打開策1:昇給制度のあるグループ院に転職する
最もシンプルで即効性のある方法です。
個人院から複数院を展開しているグループ院に移るだけで、年収が50万〜100万円上がるケースは珍しくありません。
| 比較項目 | 個人院 | グループ院 |
|---|---|---|
| 初任給 | 20〜23万円 | 23〜27万円 |
| 昇給制度 | なし〜院長裁量 | 評価制度あり |
| キャリアパス | 院長のみ | 副院長→分院長→エリアマネージャー |
| 賞与 | 0〜1ヶ月分 | 1〜3ヶ月分 |
| 社会保険 | 未完備も多い | 完備が多い |
グループ院では分院長になれば年収450万〜520万円、エリアマネージャーでは550万円以上も視野に入ります。
打開策2:自費メニューのスキルを身につける
保険施術の単価限界を打破するには、自費メニューの導入が不可欠です。
自費メニューを提供できるスタッフは院の売上に直結するため、給料交渉の強力な武器になります。
| 自費メニュー | 単価目安 | 需要が高い理由 |
|---|---|---|
| 骨盤矯正 | 4,000〜8,000円 | 産後ケア需要の拡大 |
| 猫背矯正 | 3,000〜6,000円 | デスクワーク層の増加 |
| EMSトレーニング | 3,000〜5,000円 | 施術+トレーニングの複合需要 |
| 美容整体 | 5,000〜10,000円 | 若年層の美容意識向上 |
| パーソナルストレッチ | 3,000〜6,000円 | スポーツ愛好家の増加 |
「自費で月100万円売り上げられる」スタッフは、どの院でも引っ張りだこです。給料交渉で「自費メニューの売上実績」を提示できれば、月給3万〜5万円のアップは十分に可能です。
打開策3:整骨院以外のフィールドに移る
柔道整復師の資格は整骨院だけのものではありません。働く場所を変えるだけで年収が大きく変わることがあります。
| 転職先 | 年収目安 | メリット |
|---|---|---|
| 整形外科 | 350〜500万円 | 社保完備・安定した勤務体系 |
| デイサービス | 300〜400万円 | 残業なし・土日休み |
| スポーツジム・トレーナー | 300〜500万円 | 好きなことを仕事にできる |
| 医療機器メーカー営業 | 400〜700万円 | 年収アップ率が高い |
| 訪問施術 | 350〜550万円 | 自分のペースで働ける |
特に医療機器メーカーの営業職は、柔整師としての現場経験が直接活かせる上に年収も大幅アップが期待できる穴場のキャリアです。
年収アップに成功した人の事例
実際に年収を上げた柔整師の事例を3つ紹介します。
事例1:個人院→グループ院に転職(29歳・男性)
「個人院で5年間、年収320万円。転職サイト経由でグループ院に移ったら初年度から年収400万に。2年後に副院長になって450万。同じ施術をしてるのに、働く場所でこんなに変わるとは思わなかった。」
事例2:自費メニュー導入で給料交渉(32歳・女性)
「骨盤矯正の技術を独学で磨いて、院に自費メニューとして提案。月の自費売上が50万円を超えたタイミングで給料交渉したら、月給が4万円アップしました。数字で結果を示すのが一番強い。」
事例3:整骨院→医療機器メーカー営業(35歳・男性)
「12年間施術をしてきましたが、体力的な限界を感じて転職。医療機器メーカーの営業職に移ったら、1年目で年収480万。施術の経験がクライアント(整骨院の先生方)との信頼構築に直結しています。」

3人に共通しているのは「構造を理解して、打ち手を変えた」こと。同じ場所で耐え続けるだけじゃ、構造は変わらない。
よくある質問
まとめ:年収が低い原因を知れば、打ち手が見える
この記事のポイント
- 整骨院の年収が低いのは「保険単価の限界」「競合過多」「昇給制度の不在」が原因
- 個人の努力不足ではなく、業界構造の問題。頑張るだけでは解決しない
- 打開策は3つ:①グループ院への転職 ②自費メニューのスキル習得 ③整骨院以外への転身
- 同じスキルでも「働く場所」を変えるだけで年収50万〜100万円変わる
- 在職中に転職サイトで情報収集するのが第一歩
整骨院の年収が低い構造を理解した上で、自分に合った打開策を選び、行動に移すこと。これが現状を変える唯一の方法です。

年収が低いのは君のせいじゃない。業界の構造のせいだ。でも、そこから抜け出すかどうかは君次第。まずは選択肢を知ることから始めよう。


