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柔道整復師の労働時間は本当に長すぎる|過労死ラインを越えていないか今すぐ確認してください
高橋(元柔道整復師)
私が整骨院を辞めた直接のきっかけは、残業代のつかない月80時間超えの残業でした。当時は「業界全体こんなもの」と思っていましたが、今考えると完全にブラックでした。この記事で、自分の状況を客観的に確認してほしいと思います。
柔道整復師として働いているあなたは、今月何時間残業しましたか。
週6日勤務、朝は院の準備で早出、夜は患者対応で帰れない。休憩時間は名目だけで実際はカルテ整理。そんな働き方を「仕方ない」と受け入れていませんか。
厚生労働省が定める過労死ラインは、時間外労働が月80時間を超えることです。しかしこの業界では、80時間どころか100時間を越えていても「普通」と感じてしまう環境が少なくありません。
この記事では、柔道整復師の実際の労働時間の実態、過労死ラインとの比較、そして今の状況を変えるための具体的な選択肢を整理します。現状を正確に把握してから、次の一手を考えてください。
柔道整復師の平均労働時間|数字で見る現実
まず客観的なデータを確認しましょう。
業界全体の平均と柔道整復師の実態
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、柔道整復師を含む「その他の保健医療従事者」の年間労働時間は全業種平均を上回る水準にあります。ただし、統計上の数字と現場の実態には大きな乖離があります。
現場でよく聞かれる実態は以下のとおりです。
| 働き方の分類 | 月残業時間の目安 | 過労死ラインとの比較 |
|---|---|---|
| 大手チェーン院(管理体制あり) | 20〜40時間 | ライン内 |
| 中規模個人院(スタッフ複数名) | 40〜70時間 | 要注意ゾーン |
| 小規模院・院長1人体制 | 80〜120時間超 | 過労死ライン超え |
| 開業期の独立院長 | 100〜150時間超 | 危険水域 |
| 介護・訪問系兼務 | 60〜100時間 | ライン付近〜超え |
※上記は業界関係者・転職支援エージェントへの取材および柔道整復師関連調査を参考にした目安値です。職場環境・地域により異なります。
残業代が出ない「サービス残業」が常態化している
問題はただ時間が長いことだけではありません。その多くがサービス残業として処理されている点です。
開院前の準備・院内清掃・レセプト業務・スタッフミーティング・自費施術のロールプレイング練習。これらが「業務時間外」として扱われ、給与に反映されない職場が実際に存在します。
厚生労働省は2019年以降、働き方改革関連法の施行によって時間外労働の上限規制を設けていますが、小規模な整骨院ではそのルールが徹底されているとは言えない状況です。
高橋(元柔道整復師)
私がいた院では、朝8時半に来るのが「常識」とされていました。開院は10時。その1時間半は「自主練」という扱いでした。でも実際は院長から掃除や準備を指示される。明らかに労働なのに残業代はゼロ。こういった感覚が麻痺してしまっている職場が、今も多いはずです。
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過労死ラインとは何か|自分の残業時間と照らし合わせてください
「過労死ライン」という言葉を聞いたことはあっても、具体的な数字を把握していない方は少なくありません。
厚労省が定める過労死ラインの基準
厚生労働省の行政通達(脳・心臓疾患の労災認定基準)では、以下の基準が設けられています。
- 発症前1ヶ月間に時間外労働が100時間を超えている場合
- 発症前2〜6ヶ月間に1ヶ月あたり平均80時間を超える時間外労働が続いている場合
これらを満たす場合、業務上の過重労働が疾患の発症に強く関連したとして、労災認定の対象になる可能性があります。
ただし重要なのは、80時間を超えたら「即アウト」というわけではなく、80時間に近づくにつれて健康リスクが高まるという点です。
自分の残業時間を正確に計算する方法
まず雇用契約書や就業規則に記載されている「所定労働時間」を確認してください。
次に、実際の出勤・退勤時刻を1ヶ月分集計します。スマートフォンのGPS履歴や交通系ICカードの記録、LINEやSlackのメッセージ送信時刻なども証拠になります。
実際の勤務時間から所定労働時間を引いた数字が、みなさんの月の時間外労働です。この数字が80時間に近いか、超えているなら、今すぐ職場環境を見直す必要があります。
高橋(元柔道整復師)
私が残業時間を計算したとき、月に110時間を超えていることがわかりました。「そんなに働いていた感覚がなかった」というのが正直な感想です。感覚は当てにならない。数字で確認することが大切です。
長時間労働を生み出す整骨院の構造的問題
なぜ柔道整復師の職場ではこれほど長時間労働が生まれやすいのでしょうか。個人の努力でどうにかなる問題ではなく、業界の構造的な問題が根本にあります。
保険点数依存と患者単価の低下
整骨院・接骨院の収益の多くは、健康保険の療養費に依存しています。しかし保険点数は年々見直され、1患者あたりの単価は上がりにくい構造になっています。
その結果、院の売上を維持するためには患者数を増やすしかない。患者数を増やすためにはスタッフが長時間働くしかない。この悪循環が業界全体に広がっています。
自費メニュー導入による業務負荷の増加
保険収入だけでは経営が苦しくなった院が、自費施術(整体・鍼灸・美容系など)を導入するケースが増えています。新メニューの習得、患者へのご案内、売上ノルマ。これらが既存業務に上乗せされ、スタッフの負担を押し上げています。
少人数体制での全業務対応
多くの整骨院は院長1名+スタッフ1〜2名という少人数体制です。誰か1人が休めば残りが穴を埋める。代替要員がいないため、有給休暇が取りにくい。結果として慢性的な人手不足が解消されず、残業が常態化します。
| 求人票で注意すべきポイント | 隠れた意味 |
|---|---|
| 「アットホームな職場」 | 少人数体制。個人的な空間への侵食が起きやすい |
| 「やる気次第でどんどん成長できる」 | 教育体制が整っておらず、自力学習が前提 |
| 「基本給+歩合あり」 | 基本給が低く、歩合達成のために長時間働かざるを得ない可能性 |
| 「残業はほとんどありません」 | 残業代が出ないため、残業として計上されていないだけの可能性 |
| 「月給〇〇万円〜」 | 最低賃金ギリギリの基本給に各種手当を足した金額の可能性 |
高橋(元柔道整復師)
私が転職活動をしたとき、この「求人票の読み方」を知らなかったことを後悔しました。最初の転職先でまた同じ失敗をしてしまったのです。エージェントを使っていれば、事前に内部情報を教えてもらえたと思います。
求人票だけではわからない職場の実態を知りたい方へ
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労働環境が改善しない職場に留まり続けるリスク
「今は我慢が必要な時期」「スキルが上がれば状況も変わる」と自分に言い聞かせながら、長時間労働を続けている柔道整復師は少なくありません。しかし、この判断は本当に正しいのでしょうか。
身体的・精神的ダメージの蓄積
月80時間を超える時間外労働は、睡眠不足・免疫機能の低下・集中力の減退を引き起こします。施術者として患者の身体を扱う仕事において、この状態は患者へのリスクにもなりかねません。
精神面では、慢性的な疲労からバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥るケースも報告されています。好きで選んだ仕事なのに、出勤前から気持ちが重い。そう感じているなら、既に限界を超えているサインかもしれません。
キャリアの停滞
長時間労働で疲弊した状態では、スキルアップのための勉強時間も確保できません。資格取得・研修参加・論文読解。こうした自己研鑽の機会を失い続けることは、長期的なキャリア形成に深刻な影響を与えます。
また、精神的な余裕がなければ患者との信頼関係も築きにくくなります。施術の質が落ちれば、患者が来なくなる。これが院の経営悪化につながり、さらなる残業増加という悪循環を生みます。
「辞めたいけど辞められない」という罠
長時間働いてきた職場ほど、辞めることへの心理的ハードルが上がります。院長への申し訳なさ、後任を見つけるまで待ってほしいという要請、有給消化もできないまま辞める後ろめたさ。
しかしはっきり言います。あなたの健康と人生を優先することは、わがままではありません。労働基準法では、退職は2週間前に申し出れば認められています。職場の事情よりも、あなた自身の将来が最優先です。
高橋(元柔道整復師)
転職を決意してから実際に動き出すまで、1年以上かかりました。「次の人が決まるまで」「もう少し経験を積んでから」と先延ばしにし続けたのです。でも結局、状況は何も変わらなかった。動き出したのは身体に異変が出てからでした。もっと早く動いておけばよかった。それが今も正直な気持ちです。
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ブラック整骨院の見分け方|労働環境の良い職場を選ぶ具体的な基準
転職するにしても、同じ失敗を繰り返さないために職場選びの判断軸を持っておくことが重要です。
求人票で確認すべき5つの数字
- 所定労働時間:週40時間以内が法定上限。これを大きく超えていたら要注意
- 月平均残業時間:20時間以内が理想。30時間を超えるなら理由を面接で確認する
- 有給休暇の取得率:50%未満の職場は取得しにくい文化がある可能性
- 年収の内訳:基本給と各種手当の内訳を確認。固定残業代が含まれていないか
- スタッフ定着率:離職率が高い職場は何らかの問題を抱えている
面接・見学で聞いておくべき質問
書面に書かれた情報だけでは、実態はわかりません。面接の場で直接確認することが大切です。
| 質問 | 確認したいこと |
|---|---|
| 「先月の実際の残業時間はどのくらいでしたか」 | 具体的な数字を答えられない院は管理できていない証拠 |
| 「有給休暇は実際にどのくらい取れていますか」 | 「みんな取っています」は要追確認。具体的な日数を聞く |
| 「前任のスタッフはなぜ辞めたのですか」 | 「一身上の都合」だけで答えが濁るなら追及する |
| 「開院前・閉院後の業務はどのくらいありますか」 | この時間が残業代の対象になっているか確認する |
| 「施術ノルマや自費売上の目標はありますか」 | プレッシャー型の職場かどうかを判断する |
転職エージェントを使うと得られる情報

転職エージェントは、一般公開されていない院の内部情報を持っていることがあります。スタッフの定着率・院長の人柄・実際の残業時間・職場の雰囲気。これらを事前に教えてもらえることで、入社後のミスマッチを防げます。
また、条件交渉も代行してもらえるため、直接言いにくい「残業時間を減らしてほしい」「有給が取りやすい環境かどうか確認したい」といった希望も伝えやすくなります。
高橋(元柔道整復師)
最終的に今の職場に落ち着けたのは、治療家専門のエージェントを使ったおかげです。「残業は月20時間以内」「院長がスタッフの休暇取得に協力的」という条件を最初に伝えて、そこに合う求人だけを紹介してもらいました。自分一人では到底調べきれなかった情報を持っていてくれました。
まとめ|今すぐできる3つのアクション
柔道整復師の長時間労働は、個人の問題ではなく業界の構造的な問題です。しかし、だからといって現状を変えられないわけではありません。
アクション1:今月の残業時間を正確に計算する
まず現状を数字で把握してください。感覚ではなく、実際の出退勤記録をもとに計算します。月80時間を超えていた場合は、職場環境の改善か転職の検討を始めるべきタイミングです。
アクション2:転職エージェントに情報収集を依頼する
転職を決断する前でも構いません。今より労働環境の良い職場がどのくらいあるのか、自分の経験やスキルでどのような条件が提示されるのかを、無料で調べてもらいましょう。情報を持っているだけで、判断の幅が広がります。
アクション3:自分の健康を最優先の判断基準にする
職場への義理、患者への責任感、院長への申し訳なさ。これらの気持ちは大切ですが、あなた自身の心身の健康が壊れてからでは取り返しがつきません。健康あっての仕事であり、キャリアです。
今の職場を変えることは、逃げることではありません。次の一歩を踏み出すための、正当な選択肢です。
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