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鍼灸師から作業療法士に転職するには|費用・期間・難易度と年収比較、後悔しない選択肢の選び方

資格・スキルアップ

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鍼灸師が「作業療法士に転職したい」と思ったとき、最初にぶつかる壁がある。作業療法士は国家資格であり、文部科学省または厚生労働省が認定した養成施設で3〜4年の課程を修了・国家試験に合格しないと名乗れない。つまり「転職」という言葉を使っていても、実態は「学び直しを経てから転職する」という2段階のプロセスだ。養成校の学費(130〜500万円程度)・修業年限(最低3年)・国家試験合格率(令和5年度:67.4%、公益社団法人日本作業療法士協会)といった現実を先に把握しておく必要がある。

この記事では、作業療法士になるルートの費用・期間・難易度と年収比較に加えて、鍼灸師のまま作業療法士と連携できる職場(機能訓練指導員など)に転職する選択肢も整理する。鍼灸師が転職を考えるリアルな理由を見るでも紹介しているとおり、転職動機が「安定した雇用」「リハビリ職への憧れ」であれば、手段は作業療法士だけとは限らない。

  1. 鍼灸師が作業療法士に「転職」できるか?まず知っておく現実
    1. 作業療法士になるには国家資格が必要|「転職」ではなく「学び直し+転職」
    2. 鍼灸師と作業療法士の仕事内容・資格・施術範囲の違いを整理する
  2. 鍼灸師から作業療法士になる方法|費用・期間・難易度
    1. 作業療法士養成校に通う場合の費用と修業年限(昼間・夜間タイプ別)
    2. 鍼灸師の知識・経験は作業療法士の学習に活かせるか
  3. 【年収比較】鍼灸師と作業療法士、どちらが稼げるか
    1. 平均年収・月収・手取りの比較(最新データ)
    2. 職場別・年代別の収入差と将来性の違い
  4. 作業療法士への転職を決める前に確認すべき4つのこと
    1. ①「なぜ作業療法士になりたいのか」を自分に問いかける
    2. ②鍼灸師のまま年収・キャリアを上げる選択肢はないか
    3. ③ダブルライセンス取得の現実的なメリットと取得の壁
    4. ④学び直し前に転職エージェントに相談して求人市場を知る
  5. 鍼灸師が作業療法士と一緒に働ける職場への転職
    1. 介護施設・老人保健施設で作業療法士と連携する機能訓練指導員の仕事
    2. リハビリ特化クリニック・病院で作業療法士と連携する働き方
  6. よくある質問(FAQ)
    1. 鍼灸師の資格で作業療法士の仕事はできる?
    2. 働きながら作業療法士の資格を取れる?
    3. 鍼灸師から作業療法士への転職で後悔した人の共通点は?
  7. まとめ|鍼灸師から作業療法士への転職は「目的と方法の整理」が最重要
    1. 転職・キャリアでお悩みの方へ

鍼灸師が作業療法士に「転職」できるか?まず知っておく現実

作業療法士になるには国家資格が必要|「転職」ではなく「学び直し+転職」

作業療法士は理学療法士及び作業療法士法に基づく国家資格だ。鍼灸師とは異なる法律体系の資格であり、互換性はない。資格取得には養成校への入学・修了・国家試験合格が必須で、3〜4年間は学費支出と収入減少が重なる。この現実を先に把握した上で判断してほしい。

鍼灸師と作業療法士の仕事内容・資格・施術範囲の違いを整理する

鍼灸師と作業療法士の基本比較
比較項目 鍼灸師 作業療法士
仕事内容 はり・きゅうによる施術。疼痛緩和・体調改善が主 日常生活動作・社会参加の回復支援。作業活動を通じたリハビリ
資格区分 国家資格(はり師・きゅう師) 国家資格(作業療法士)
医師の指示 不要(自己判断で施術可能) 原則必要(医師の指示のもとで実施)
開業権 あり(鍼灸院の独立開業が可能) なし(施設・病院への所属が基本)
主な職場 鍼灸院・整骨院・スポーツ施設・訪問鍼灸 病院・介護老人保健施設・障害福祉施設・訪問リハ
平均年収目安 約330〜380万円(施設勤務・常勤) 約420〜460万円(病院・施設勤務・常勤)

出典:厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」をもとにした概算目安。地域・施設形態・経験年数により変動する。

鍼灸師から作業療法士になる方法|費用・期間・難易度

作業療法士養成校に通う場合の費用と修業年限(昼間・夜間タイプ別)

養成校には主に昼間部夜間部の2タイプがある。通信制については、作業療法士は実習単位の要件が厳しいため令和6年時点でほぼ存在しない点に注意してほしい。

作業療法士養成校の学校タイプ別比較
学校タイプ 修業年限 費用目安 働きながら可否
昼間部(専門学校・大学) 3〜4年 200〜500万円程度 難しい(アルバイト程度は可)
夜間部(専門学校) 3年 130〜250万円程度 可(パート・非常勤で働く人が多い)
通信制 ほぼ存在しない(実習要件のため)

出典:文部科学省・各養成校公式サイトをもとにした概算。入学金・授業料・実習費の合計。奨学金・高等教育の修学支援制度の適用可否は各校に要確認。

昼間部を選ぶと在学中の収入が大幅に下がるため、ある程度の貯蓄なしに入学するのは現実的ではない。夜間部でも長期実習期間(8週間以上)は仕事との両立が難しくなり、シフト大幅削減や休職を余儀なくされるケースがある。鍼灸師の平均年収を全国データで確認すると、現在の収入水準を踏まえた資金計画の参考になる。

鍼灸師の知識・経験は作業療法士の学習に活かせるか

カリキュラムには解剖学・生理学・運動学が含まれており、鍼灸師の知識が活きる科目がある。一方で精神科作業療法・認知機能評価・福祉住環境整備などは新規習得が必要であり、医師の指示のもとで医療チームの一員として動く職業文化も、転身者が「慣れるのに時間がかかった」と口をそろえる部分だ。国家試験合格率は令和5年度67.4%(受験者数5,672名・合格者数3,813名、参照:公益社団法人日本作業療法士協会)で、全体の3割強が不合格になる難関だと認識しておく必要がある。

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【年収比較】鍼灸師と作業療法士、どちらが稼げるか

平均年収・月収・手取りの比較(最新データ)

厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」によると、はり師・きゅう師の施設勤務での平均年収は350万円前後、作業療法士は430万円前後が目安だ。鍼灸師は独立開業で大幅に上振れするケースもあるが、勤務鍼灸師の多くは280〜380万円に収まる。詳細は鍼灸師の平均年収を全国データで確認するを参照してほしい。

職場別・年代別の収入差と将来性の違い

職場別に比較すると、訪問系での働き方が年収の底上げになりやすい。下表で主な職場ごとの年収目安を確認してほしい。

職場別 鍼灸師と作業療法士の年収比較
職場・働き方 鍼灸師 年収目安 作業療法士 年収目安
鍼灸院・整骨院勤務 280〜360万円 (採用枠なし)
介護老人保健施設 340〜390万円(機能訓練指導員) 400〜450万円
病院リハビリ科 (配置はごく稀) 420〜480万円
訪問リハビリ・訪問鍼灸 350〜450万円(訪問件数次第) 430〜500万円
介護施設(機能訓練指導員) 340〜400万円 390〜450万円

出典:厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」および公開求人情報をもとにした概算目安。地域・施設規模・経験年数・契約形態により変動する。

作業療法士への転職を決める前に確認すべき4つのこと

①「なぜ作業療法士になりたいのか」を自分に問いかける

「病院で安定して働きたい」という動機は理解できる。しかし作業療法士の仕事は日常生活動作の回復・社会参加の支援が中心であり、施術を行う鍼灸師の職業文化とは異なる。OTが働く施設への見学で仕事内容を体感してから判断するのが理想だ。

②鍼灸師のまま年収・キャリアを上げる選択肢はないか

養成校に入学する前に、鍼灸師のまま年収を上げる方法を見るで確認してほしい。訪問鍼灸への転向・スポーツ分野への特化・ダブルライセンス取得など、3年間・100〜250万円超を投じなくてもキャリアを上げる選択肢が複数ある。現職でできることを確認してから動く順序が正しい。

③ダブルライセンス取得の現実的なメリットと取得の壁

鍼灸師+作業療法士のダブルライセンスは施設でのユニークな価値になりうる。ただし取得コストは学費だけでなく、収入減少分・消耗を含めたトータルで捉える必要がある。鍼灸師×柔道整復師のダブルライセンスの年収実態を確認するでも触れているが、ダブルライセンスによる年収上昇は期待より緩やかなケースが多い。

④学び直し前に転職エージェントに相談して求人市場を知る

養成校入学前の段階で転職エージェントに「鍼灸師が機能訓練指導員の求人を狙った場合の給与水準・求人数」を確認しておくと判断材料が増える。市場感を掴んでから「それでも資格を取りたいか」を判断するのが最短ルートだ。

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鍼灸師が作業療法士と一緒に働ける職場への転職

介護施設・老人保健施設で作業療法士と連携する機能訓練指導員の仕事

介護老人保健施設や特別養護老人ホームでは、鍼灸師を機能訓練指導員として採用する施設が増えている。厚生労働省告示(令和3年改正)により、鍼灸師(はり師・きゅう師)が機能訓練指導員として配置できる職種に明記されており、OTの資格なしに就くことが可能だ。仕事は入所者の機能訓練計画の立案・実施・評価で、OT・PTと連携しながら進める。

リハビリ特化クリニック・病院で作業療法士と連携する働き方

リハビリ特化型クリニックや病院では、鍼灸師が外来患者の疼痛ケアを担当しながらOT・PTと連携するポジションを設ける施設も出てきている。ただし求人として広く公募されることは少なく、施設の方針次第の部分が大きい。作業療法士以外の鍼灸師のおすすめ転職先を比較するでも各選択肢を整理している。

よくある質問(FAQ)

鍼灸師の資格で作業療法士の仕事はできる?

できない。作業療法士は理学療法士及び作業療法士法による業務独占資格であり、有資格者のみが業務を行える。ただし機能訓練指導員のポジションは鍼灸師でも就くことができ、OTと連携しながらリハビリ系業務に関わる道はある。

働きながら作業療法士の資格を取れる?

夜間部であれば昼間に働きながら通学できる。ただし長期臨床実習(最低8週間以上)の時期は仕事との両立が難しくなり、休職やシフト大幅削減が必要になる。実習スケジュールは入学前に確認しておきたい。

鍼灸師から作業療法士への転職で後悔した人の共通点は?

①OTの仕事内容を体験しないまま入学した、②学費と収入減の合計コストを過小評価した、③国家試験を甘く見ていた(合格率67.4%)、の3点が共通している。転職後のキャリアイメージを具体化してから動いた人は同じルートを選んでも後悔が少ない傾向がある。

まとめ|鍼灸師から作業療法士への転職は「目的と方法の整理」が最重要

  • 作業療法士になるには養成校3〜4年の修了と国家試験合格が必須。学費は130〜500万円程度
  • 国家試験合格率は約67%で、学習量は鍼灸師国家試験より多い
  • 鍼灸師の解剖学・生理学の知識は活きるが、精神科OT・認知機能評価などは一から習得が必要
  • 鍼灸師のまま機能訓練指導員として老健・介護施設に転職する選択肢もある(資格追加不要)
  • ダブルライセンス取得は費用・時間・収入減のトータルコストを計算した上で判断する
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この記事を書いた人
高橋 大輝
柔道整復師として整骨院で8年間勤務し、院長代理として現場管理も経験。自身の転職活動で複数のエージェントを使い比較した経験をもとに、治療家の転職・キャリアに関する情報を発信しています。資格取得から独立まで、現場目線でお届けします。

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